くしゃくしゃの人生。
1人になって、自分の人生を噛みしめる。
神様になりたいな。
競争から外れても、生きているよ。
上手く行かなくても生きているよ。
ごめんね、生きているよ。
欲しいもの。
儚さ、白さ、明るさ、尊さ、消えてしまう美しさ。
黒くて長い髪。
白いワンピース。
儚さの塊。
透き通る声。
ほら、こっちへ来て。
あなたと一緒なら僕は主人公になれる。
一冊の本の物語を美しく飾りたい。
行きたくない。
いってきます。と私は母の目を一瞬みて乱雑にドアノブを押して外へ出た。
すべてが息苦しい。
鉛のように重たい鞄が肩にのしかかる。
着たくもない汚い制服と剥がれた靴。
それでも私は向かいたくない目的地に足を動かしている。
耳から流れ込むお気に入りの変に明るい曲は私の心をなんとか正常に保たせた。
まだ薄暗い駅のホーム。真っ黒な服装のおじさんは毎日同じ顔をしている。
どこか遠くを見つめている目だった。
無機質で固くて単色なベンチにいつものように腰掛けた。
さぁ、今日はどうしよう。
難聴。
少しずつ世界から切り離されていく感覚は。
なんだか海に溺れていくよう。
昨日まではもう少し聞こえていたのに。
安心がなくなっていく。
耳の違和感は強くなって。
私の音を奪ってしまう。
お願いだから奪わないで。
不安感が増す。
もうあの世界には戻れないと舌唇を噛んだ。
新しい春
新しいことをするときってなんでこんなにキラキラするんだろう
まだなにもしてないのに
考えるだけで周りがキラキラしてみえる。
私ね、世界がキラキラしてみえることがあるの。
全てが生き生きとしていて軽い。