小さい気持ち

文字にできる喜び

行きたくない。

いってきます。と私は母の目を一瞬みて乱雑にドアノブを押して外へ出た。
すべてが息苦しい。
鉛のように重たい鞄が肩にのしかかる。
着たくもない汚い制服と剥がれた靴。
それでも私は向かいたくない目的地に足を動かしている。
耳から流れ込むお気に入りの変に明るい曲は私の心をなんとか正常に保たせた。 
まだ薄暗い駅のホーム。真っ黒な服装のおじさんは毎日同じ顔をしている。
どこか遠くを見つめている目だった。
無機質で固くて単色なベンチにいつものように腰掛けた。
さぁ、今日はどうしよう。

無気力な部屋

今週のお題「わたしの部屋」
僕はずっと四角い箱の中。
太陽の光を浴びてみたい。
作られた人工物の中にいるとき、僕は生きているのか死んでいるのか分からなくなる。
神様にでもなって四角い電子板からこの世を見ようとした。
どうやら大変そう。
僕は神様になるのをやめた。
昨日の記憶なんてない。
今ぼーっとしているだけ。
どれだけ過去の記憶がなくても今生きていればそれで十分だ。
今を更新し続ける。
四角い箱の中は今しか僕の中にはない。
それほどに単調ですぐに消えてしまいそうな生活。

難聴。

少しずつ世界から切り離されていく感覚は。
なんだか海に溺れていくよう。
昨日まではもう少し聞こえていたのに。
安心がなくなっていく。
耳の違和感は強くなって。
私の音を奪ってしまう。
お願いだから奪わないで。
不安感が増す。
もうあの世界には戻れないと舌唇を噛んだ。

新しい春

新しいことをするときってなんでこんなにキラキラするんだろう
まだなにもしてないのに
考えるだけで周りがキラキラしてみえる。
私ね、世界がキラキラしてみえることがあるの。
全てが生き生きとしていて軽い。

運命の日。

今週のお題「ホワイトデー」
甘いものって魔法の薬。
ひと口食べればその人の虜。
たくさんの魔女が甘い薬を持って子犬を誘き寄せる。
子犬たちは何を夢見ているのかしら。
すべての代償はあなたの心。
運命の日を楽しみにしています。