2020-06-06 行きたくない。 いってきます。と私は母の目を一瞬みて乱雑にドアノブを押して外へ出た。 すべてが息苦しい。 鉛のように重たい鞄が肩にのしかかる。 着たくもない汚い制服と剥がれた靴。 それでも私は向かいたくない目的地に足を動かしている。 耳から流れ込むお気に入りの変に明るい曲は私の心をなんとか正常に保たせた。 まだ薄暗い駅のホーム。真っ黒な服装のおじさんは毎日同じ顔をしている。 どこか遠くを見つめている目だった。 無機質で固くて単色なベンチにいつものように腰掛けた。 さぁ、今日はどうしよう。